肺炎

種類

肺炎は原因によって次のように分類することができます。

  • 細菌性肺炎
    • 肺炎球菌性肺炎
    • インフルエンザ菌性肺炎
    • マイコプラズマ肺炎
    • クラミジア肺炎
    • レジオネラ肺炎
    • その他の細菌(黄色ブドウ球菌、ラタモキセフ等)
  • ウイルス性肺炎
    • インフルエンザウイルス
    • RSウイルス
    • ヒトメタニーモウイルス(hMPV)
    • アデノウイルス
    • 麻疹ウイルス
    • その他のウイルス(エコーウイルス、ライノウイルス等)

当科での肺炎の検査と治療

外来で多い肺炎は主に次の3つです。

  • マイコプラズマ・クラミジア肺炎
  • 肺炎球菌性肺炎
  • ウイルス性肺炎

細菌性肺炎の頻度は下表のように報告されていてクレブシェラ・ブドウ球菌・レジオネラ等はずっと少なくなります。当科では上記の原因診断を行い、早期に治療することによって入院紹介することなく外来にて5日~10日で治癒に導くことが可能になっています。

起炎菌による肺炎の頻度(medicina:40,2003)
1 肺炎球菌 20~25%
2 インフルエンザ菌 7~20%
3 マイコプラズマ 5~10%
4 クラミジア 6~7%
5 クレブシエラ
6 黄色ブドウ球菌
7 レジオネラ
マイコプラズマ肺炎 外来でよくみられる肺炎です。熱が続いていても元気なことが多く肺炎にみえないことがあります。比較的痰の少ないむせるような咳が長い期間続くような時に可能性があります。マクロライド系抗生物質が有効で飲み薬で治療します。ここ数年耐性菌が増加(50~80%)、オゼックス・ミノマイシンの使用が多くなっています。
肺炎球菌性肺炎 肺炎らしい肺炎です。高熱で発熱1日目にすでに肺に陰影をみとめことが少なくありません。早期に抗生物質の点滴静注を開始することにより5~10日間程度で治癒が可能です。こじれると回復が難しくなります。高齢者では死に直結することがあり油断できません。
ウイルス性肺炎 ウイルス感染が原因でおきる肺炎です。ウイルスには有効な抗生物質がありませんので、一般状態を良い状態に保つ対症療法で治癒するのを待ちます。免疫が成立すれば回復していきますが高齢者では治癒が遷延することが問題になります。

小児と65歳以上の肺炎の原因菌

肺炎の診断基準

肺炎の2つの病型(肺炎と気管支肺炎)

過去の肺炎患者数(平成28年12月29日現在)

マイコプラズマ 肺炎球菌 その他の肺炎 肺炎合計 入院紹介
平成30年 115 5 46 163 5
平成29年 32 1 96 129 10
平成28年 137 3 70 210 9
平成27年 40 3 80 123 5
平成26年 92 8 92 192 5
平成25年 75 2 93 170 2
平成24年 137 4 79 220 5
平成23年 88 10 10 108 2
平成22年 79 8 27 114 6
平成21年 53 2 47 102 3
平成20年 38 5 30 73 9
平成19年 29 4 49 82 5
平成18年 75 検査未施行 48 113 3
  • 外来治療で大部分の患者さんが回復しています。肺炎は外来で治る病気です。入院紹介は高齢者が多くなります。
  • 平成30年のウイルス性肺炎にはRSV 6人、hMPV 6人、インフルエンザB 3人、アデノウイルス 1人が含まれています。
  • 平成28年のその他の肺炎にはインフルエンザA 8人 インフルエンザB 6人 RSウイルス 4人ヒトメタニューモウイルス1人が含まれます。
  • 平成27年 RSウイルス肺炎 6人 hMPV肺炎 7人 ウイルス性肺炎(インフルエンザ含む) 23人
  • 平成22・23年とくに24・28年はマイコプラズマ肺炎が流行した年でした。
  • 平成24年のその他の肺炎にはクラミジア肺炎、RSウイルスによる肺炎などが含まれています。
  • 平成25年のその他にはクラミジア肺炎12人、RSウイルス7人、hMPV 4人、インフルエンザ1人が含まれています。この年はクラミジアが流行しました。入院紹介はいずれも高齢者です。

入院紹介基準

  • 1.CRP(炎症反応)15 mg/dl 以上
  • 2.SPO2(酸素飽和度)95 % 以下
  • 3.年齢の要素(1才以下、高齢者)
  • 4.基礎疾患を有するもの(心不全、喘息等)
  • 5.家族の希望

外来治療の目安

当院では原則、CRP15mg/dl以下の場合、外来で治療しています。

肺炎の重症度(こども)

高齢者の肺炎の特徴と取扱い

症状の特徴

  • 1.初発症状として食思不振や全身倦怠感などの非特異的症状がみられる。
  • 2.発熱は軽微でまったく認められないこともある。
  • 3.なんとなく元気がない、普段より反応が鈍い程度のことがある。
  • 4.脱水や電解質異常をきたしやすい。
  • 5.訴えが少ないので重症化してから医療機関を受診することが少なくない。
  • 6.耐性菌が少なくなく抗生物質が無効で、急激に悪化予期せぬ重篤な状態になることがある。
  • 7.肺炎死亡のほとんどが高齢者である。

原因菌の特徴

  • 1.原因菌として肺炎球菌が多い。
  • 2.マイコプラズマ肺炎は少ない(全体の肺炎の1.3%<若年者19.3%)
  • 3.肺炎クラミドフィラの頻度は若年者と変わらず、他の細菌性肺炎との合併例が多い。
  • 4.肺炎桿菌・緑膿菌などのグラム陰性菌の頻度が若年者より高い。
  • 5.口腔内常在のレンサ球菌や嫌気性菌による肺炎は若年者と同率。
  • 6.高齢者肺炎の概念

小児肺炎抗菌薬の選択

肺炎治療の評価